【女性指導者の本領発揮1】フィギュアスケート『高橋大輔選手』と『長光歌子コーチ』のエピソード《切れなかった靴ひも》
バンクーバー五輪銅メダリストであり、一度引退したのち、2020年からアイスダンスに転向した『高橋大輔選手』のお話です。(2022年12月24日に行われた全日本選手権でフィギュアスケート男子シングルとアイスダンスで全日本史上初の2種目制覇を達成:おめでとうございます)
そして、この高橋選手と同時期に活躍し、先に引退した『織田信成選手』……2人とも素晴らしい選手でした。
この2人といえば思い出すのが、それぞれの結果が分かれた2010年バンクーバー五輪です。
『高橋選手』が日本男子初のメダルを獲得する一方で、『織田選手』は演技の途中で《靴ひも》が切れてしまい、結果を残すことができませんでした。
この《靴ひも》が切れてしまうという事故は、もしかしたら防げたのかもしれません。実は高橋選手もまったく同じような状況にありましたが『長光コーチ』の気配りにより事故を回避することができました。
ショートプログラム終了後、高橋選手の《靴ひも》は織田選手と同様に、摩耗して切れそうな状態でした。高橋選手自身もそのことに気付いていましたが、《靴ひも》を替えて感覚がくるってしまうことを避け、「切れたときはそれが僕の運命だ」と、あえてそのままにしておいたそうです。
結局切れなかったのですが、運が良かったのではありません。なぜなら、フリープログラムの前日に《靴ひも》が切れそうになっていることに気付いた長光コーチが『こっそりと交換』していたからです。
長光コーチは高橋選手を中学2年の時からずっと指導しており、彼の性格をよくわかっていました。小さな変化にもすぐに気付く彼を動揺させないように、「靴を磨くから」と言って靴を借り、新品ではなく靴によく馴染んでいる使用済みのひもに交換したのです。
長光コーチは普段から、まめに高橋選手の靴ひもを交換していたようですが、高橋選手はこの事実を、後のインタビューで長光コーチが答えるまで全く知らなかったそうです。
「周りの人の力があったから、メダルが取れた」と、当時高橋選手は様々なインタビューで答えています。長光コーチと高橋選手の間にある長年の師弟関係から来る信頼と固い絆、そして、普段からの細やかな気配りが強みとなってメダル獲得という記録につながったのです。
このケースこそ、〈女性のプロ指導者〉ならではの細やかな気配りや目配りを象徴する出来事であり、最も優れた利点だと思います。当会でも『プロ家庭教師』による指導の中で、この利点が活かされて現在の〈高実績〉につながっていると考えます。
また、フィギュアスケートの要素はジャンプが50%、スケーティング技術や演技力が50%だと言われています。ジャンプはある程度の才能が必要らしいのですが、スケーティング技術や演技力は努力の領域のようで、日々の訓練が重要だと言われています。
学習でも同様のことが言えます。努力や訓練で伸ばしていける分野があります。重要なのはお子様がそれぞれの長所・短所を見極め、いかに日々の学習に活かしていくか、ということなのです。
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